とびひ
とびひ(伝染性膿痂疹)は、湿疹や虫刺されをかき壊した部位などに細菌が感染し、水ぶくれや「かさぶた」が次々と広がる皮膚の病気です。火事の火の粉が飛び火するように、またたく間に全身へ広がる様子から「とびひ」と呼ばれています。特に皮膚のバリア機能が未発達な小さなお子さんに多く見られますが、大人でもアトピー性皮膚炎や免疫力の低下がある場合には注意が必要です。京都市山科区のけいゆうクリニックでは、日本皮膚科学会認定専門医である皮膚科医が、適切な診断と治療を行い、症状の早期緩和を目指します。山科駅から徒歩2分の通いやすい立地で、地域の皆さんの健やかな肌を守るサポートをいたします。
とびひの症状について
とびひの症状は、感染する細菌の種類や患者さんの体質によって大きく2つのタイプに分けられます。どちらのタイプであっても、共通しているのは「かゆみが強く、触ることで周囲に広がる」という点です。放置すると全身に広がったり、周囲の人にうつしてしまったりするため、早期の受診が重要です。
水ぶくれができる症状(水疱性膿痂疹)
夏の時期、小さなお子さんに最も多く見られるのがこのタイプです。最初は小さな赤いポツポツから始まり、すぐに中身が透けて見える薄い膜の水ぶくれへと変化します。この水ぶくれは非常に破れやすく、破れた後の液(浸出液)には大量の細菌が含まれています。その液が他の場所につくことで、新しい水ぶくれが次々と作られていきます。かゆみが強いため、お子さんが無意識にかいてしまい、爪を介して全身へ拡大することが多いです。
厚いかさぶたができる症状(痂皮性膿痂疹)
季節を問わず発生し、大人にも見られるタイプです。皮膚の一部が赤く腫れ、急速に膿をもった水ぶくれができ、それが破れると厚い「かさぶた」になります。炎症が強く、喉の痛みや発熱などの全身症状を伴うこともあります。重症化すると、リンパ節が腫れたり、激しい痛みを感じたりすることもあるため注意が必要です。
とびひの初期段階では、単なる湿疹や虫刺されと見分けがつきにくいことがあります。詳細は「虫刺され」のページを参照してください。
とびひの原因について
とびひの直接的な原因は、皮膚への細菌感染です。健康な皮膚はバリア機能によって守られていますが、小さな傷口ができるとそこから細菌が入り込み、皮膚の表面で増殖して毒素を出します。この毒素が皮膚の細胞をバラバラにし、水ぶくれやかさぶたを作り出します。
原因となる主な細菌
- 黄色ブドウ球菌・・水ぶくれを作る毒素を出す、とびひの最も一般的な原因菌です。
- 化膿レンサ球菌・・炎症が強く、厚いかさぶたを作る原因となる細菌です。
感染のきっかけとなる要因
日常の些細な出来事がとびひのきっかけになります。特に、鼻の穴には原因菌である黄色ブドウ球菌が常に存在していることが多いため、鼻をいじる癖があるお子さんは、指先から細菌を広げてしまいがちです。以下の状態にあるときは、特に感染のリスクが高まります。
- 虫刺されをかきむしった跡
- あせもや湿疹の悪化
- 転んでできた擦り傷
- 鼻いじりや鼻炎による鼻の下の荒れ
アトピー性皮膚炎などで日常的に皮膚をかいてしまう習慣がある方は、皮膚のバリア機能が低下しているため、とびひになりやすい傾向があります。日頃からのケアについては「アトピー性皮膚炎」のページを参照してください。
とびひの病気の種類について
とびひは大きく分けて「水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)」と「痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)」の2種類があります。臨床現場で多く見られるのは水疱性ですが、それぞれの特徴を理解しておくことは適切な処置につながります。
水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)
主に黄色ブドウ球菌が原因で、乳幼児から学童期のお子さんに多く発症します。夏場の高温多湿な環境で細菌が繁殖しやすいため、初夏から秋にかけて流行します。水ぶくれの中には菌が充満しており、「あちこちに飛び火する」という典型的なとびひの経過をたどります。
痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)
化膿レンサ球菌が主な原因で、季節に関係なく発生します。年齢を問わず、大人もかかります。赤く腫れて痛みを伴うことが多く、重症化しやすいのが特徴です。稀に後遺症として腎炎を引き起こす可能性(糸球体腎炎)があるため、しっかりと抗菌薬による治療を行う必要があります。
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)
とびひの原因菌が出す毒素が血液に入り、全身の皮膚が火傷をしたように赤く剥けてしまう病態です。赤ちゃんや免疫力が低下したお子さんに見られることがあり、入院治療が必要になる場合もある深刻な状態です。とびひの周囲だけでなく、目の周りや口の周りが赤く腫れてきたら、早急な受診が必要です。
とびひの治療法について
けいゆうクリニックでのとびひ治療は、日本皮膚科学会認定専門医が症状の広がりや年齢に合わせて的確な薬を選択します。基本的には「細菌を殺すこと」と「患部を清潔に保つこと」の2本立てで治療を進めます。
外用薬(塗り薬)による治療
患部に直接、細菌の増殖を抑える抗菌薬の軟膏を塗ります。軽症の場合は塗り薬だけで改善が見込めます。浸出液が出ている場合は、ガーゼや亜鉛華軟膏などを用いて患部を保護し、他の部位への感染を防ぎます。市販の塗り薬では効果が不十分なケースも多いため、専門的な判断が必要です。
内服薬(飲み薬)による治療
症状が広範囲に及んでいる場合や、炎症が強い場合は、抗生剤の飲み薬を併用します。最近では特定の抗生剤が効きにくい「耐性菌」も増えているため、当院では必要に応じて細菌培養検査を行い、どの薬が最適かを慎重に判断します。また、かゆみがひどい場合には抗ヒスタミン薬などの「かゆみ止め」を処方し、かき壊しを防ぎます。
ご家庭でのスキンケア指導
薬の使用と同じくらい重要なのが、患部を清潔に保つことです。当院では以下のような具体的な処置方法をお伝えしています。
- 石鹸をしっかり泡立て、優しく患部を洗う・・シャワーで菌を洗い流すことが重要です。
- ガーゼで患部を覆う・・露出していると手で触れて広がるため、絆創膏ではなく通気性の良いガーゼで保護します。
- タオルの共用を避ける・・家族内での感染を防ぐため、タオルの使い回しは厳禁です。
皮膚の状態を詳しく確認するための診療については「皮膚科」のページを参照してください。
とびひについてのよくある質問
Q1. とびひがある時、お風呂に入っても大丈夫ですか?
A1. はい。むしろシャワーで患部の汚れや細菌を洗い流すことが大切ですので、毎日入浴してください。ただし、浴槽に浸かるとお湯を介して兄弟や家族にうつる可能性があるため、最後に入るか、シャワーのみで済ませるのが適しています。洗う時はゴシゴシ擦らず、泡で包み込むように優しく洗ってください。
Q2. 保育園や幼稚園には行けますか?
A2. 患部を適切にガーゼなどで覆っていれば、登園停止の必要はありません。ただし、広範囲にわたる場合や、浸出液が止まらない場合、発熱がある場合などは、集団生活の中で感染を広げるリスクが高いため、数日間お休みすることをお勧めします。登園の判断に迷う場合は、診察時に医師へご相談ください。
Q3. プールには入れますか?
A3. 完治するまでは、プールは控えてください。プールの水そのものでうつることは稀ですが、ビート板やタオルの貸し借り、着替えの際の接触などで他のお子さんに感染させるリスクが高いからです。全ての「かさぶた」が乾き、新しい皮膚ができてから再開しましょう。
Q4. 大人にもうつりますか?
A4. はい、うつります。大人はお子さんに比べて皮膚が強いため感染しにくいですが、体調不良で免疫力が落ちている時や、アトピー性皮膚炎、カミソリ負けなどで肌に傷がある場合は感染することがあります。お子さんのケアをした後は、必ず手を石鹸でしっかりと洗ってください。
院長より
山科区のけいゆうクリニック皮膚科では、とびひの治療において「かゆみの早期コントロール」と「周囲への感染拡大防止」を大切にしています。お母さんやお父さんにとって、お子さんの肌に水ぶくれが広がり、痒がる姿を見るのはとても辛いものだと思います。「たかが、とびひ」と思われがちですが、適切に処置をしないと跡が残ったり、重症化して高熱が出たりすることもあります。
私たちのクリニックには、日本皮膚科学会認定専門医の資格を持つ皮膚科医が在籍しており、丁寧な視診と必要に応じた検査に基づき、ご家族のライフスタイルに合わせた治療計画を提案いたします。例えば、保育園に通っているお子さんであれば、保育士さんが処置しやすいガーゼの当て方や、1日の回数を調整したお薬の処方なども検討いたします。また、当院には小さなお子様でも無理なく検査可能なアレルギー検査機器も備えておりますので、繰り返すとびひの背景にアレルギー性の湿疹が隠れていないかといった、根本的な視点からの診察も可能です。
皮膚のトラブルは、早めに対処すればするほど、治りも早く、お子さんのストレスも少なくて済みます。山科駅からすぐの場所にあり、待ち時間の短縮にも努めておりますので、少しでも「おかしいな」と思ったら、我慢せずにお気軽にご相談ください。私たちスタッフ一同、お子さんとご家族が笑顔で過ごせるよう、全力でサポートさせていただきます。
アレルギーが気になる方のための詳細については「アレルギー検査」のページを参照してください。
