前立腺がん
前立腺がんは、男性特有の臓器である前立腺に発生するがんです。近年、食生活の変化や高齢化、そして健診での腫瘍マーカー検査の普及により、日本国内でも診断される方が非常に増えています。幸いなことに、前立腺がんは他のがんと比較して進行が穏やかなことが多く、適切な時期に発見できれば、生活の質を保ちながら長く付き合っていくことや、根治を目指すことが十分に可能です。私たちのけいゆうクリニックでは、日本泌尿器科学会認定専門医が、一人ひとりの患者さんの状況に合わせた丁寧な診察を行っています。山科駅徒歩2分の立地を活かし、地域の皆さんが気軽に相談できる環境を整えています。不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
前立腺がんとは
前立腺がんは、膀胱の下にある、精液の一部を作る前立腺という組織の細胞ががん化する病気です。多くの場合、前立腺の外側の領域から発生するため、初期段階では尿道を圧迫することが少なく、自覚症状が出にくいという特徴があります。加齢とともに発症するリスクが高まり、特に50歳を過ぎたあたりから患者さんが増え始めます。進行のスピードが比較的緩やかであるため、早期に発見できれば、あわてずに治療方針を検討できるケースが多い病気でもあります。
前立腺がんの診断において極めて重要な役割を果たすのが、PSAという血液検査です。これは前立腺特異抗原と呼ばれるタンパク質で、がんがあると血液中に漏れ出しやすくなります。この検査が普及したことで、自覚症状がまったくない段階で見つかる方が増えています。
PSA値の詳細については「PSA健診(健診でPSA異常を指摘された方へ)」のページも併せてご覧ください。
このような症状はありませんか?
前立腺がんは初期には自覚症状がほとんどありませんが、進行してがんが大きくなったり、尿道を圧迫したりするようになると、以下のような症状が現れることがあります。
- 尿の勢いが以前よりも弱くなったと感じる
- 尿が出始めるまでに時間がかかる
- 夜間に何度もトイレに起きるようになった
- トイレに行った後も尿が残っている感じがする
- 尿や精液に血が混じることがある
これらの症状は、前立腺がん特有のものではなく、加齢に伴う良性の変化でもよく見られます。特に前立腺肥大症との区別が重要ですので、少しでも違和感があれば泌尿器科を受診することをお勧めします。
前立腺肥大症との違いについては「前立腺肥大症」のページを参照してください。
考えられる病気・原因
前立腺がんが発生する正確なメカニズムは完全には解明されていませんが、いくつかの要因が発症のリスクを高めることがわかっています。一般的に、以下のような要素が関係していると考えられています。
加齢と男性ホルモン
前立腺がんは高齢の男性に多く見られる病気です。加齢とともに細胞のコピーミスが重なることに加え、前立腺の細胞の成長に関わる男性ホルモンが、がん細胞の増殖にも関与していると考えられています。そのため、ホルモンバランスの変化が発症の一因となることがあります。
食生活と生活習慣
欧米型の食事、特に動物性脂肪の過剰な摂取が前立腺がんのリスクを高める可能性が指摘されています。日本でも食の欧米化に伴い患者数が増加傾向にあります。また、肥満や運動不足といった生活習慣も、間接的な影響を与える可能性があると考えられています。
遺伝的要因(家族歴)
前立腺がんは、遺伝が関係する場合があることが知られています。父親や兄弟など、近い親族に前立腺がんを経験した方がいる場合は、そうでない方と比較して発症する確率が高まる傾向にあります。ご家族に経験者がいる場合は、早めの検査検討が望ましいでしょう。
当院で行う検査
けいゆうクリニックでは、患者さんの身体的な負担に配慮しながら、精密な診断を行うために以下の検査を実施しています。大きな病院に行かなくても、当院で即日実施可能な検査も揃えています。
PSA血液検査
もっとも基本的かつ重要な検査です。少量の採血だけで、前立腺がんの疑いがあるかどうかを判断する目安となります。数値が基準値を超えている場合は、さらなる精密検査が必要かどうかを検討します。
超音波(エコー)検査
お腹の上から、あるいは直腸を通して前立腺に超音波を当て、形や大きさを確認します。前立腺の内部に異常な影がないか、あるいは前立腺肥大がどの程度進んでいるかを直接確認できる検査です。
CT検査による精密診断
当院ではCT装置を設置しており、通常は総合病院を受診しなければ受けられないような精密な画像検査をその場で行うことができます。がんの広がりや、周囲のリンパ節への影響などを詳しく調べるために活用します。
直腸診
医師が指で直腸越しに前立腺に触れ、表面の硬さや凹凸を確認します。がんがある場合、前立腺が石のように硬く触れることがあります。画像検査だけでなく、直接の手触りによる情報は診断において非常に重要です。
検査の結果、より詳細な細胞の検査が必要と判断した場合は、近隣の総合病院とスムーズに連携し、精密な生検の手配をさせていただきます。
当院で行う治療
前立腺がんの治療は、がんの悪性度、進行具合、そして患者さんの年齢や生活スタイルを総合的に判断して決定します。私たちは、患者さんの希望を尊重しながら、もっとも適した方法を共に考えていきます。
待機療法(監視療法)
非常に早期で、かつがんの進行が極めて遅いと予想される場合、あえてすぐに治療を開始せず、定期的な検査で経過を追っていく方法です。治療による身体への負担や合併症を避けることができ、高齢の方や小さながんの方に選択されることがあります。
内分泌療法(ホルモン療法)
前立腺がんは男性ホルモンによって増殖する性質があるため、その働きを抑える薬を用いる治療です。注射や内服薬によってがん細胞の勢いを抑えます。当院での通院治療が可能です。高齢の方や、全身状態を考慮して手術を控える場合に非常に有効な選択肢となります。
高度医療機関との連携
手術や放射線治療といった、入院が必要な高度な治療が必要と判断された場合には、近隣の信頼できる総合病院へご紹介いたします。手術後のアフターフォローや、薬物療法の継続などは、再び当院でじっくりと診させていただくことが可能です。連携を密に行うことで、患者さんが迷うことなく治療を継続できる体制を整えています。
放置するとどうなる?
前立腺がんは進行が穏やかであることが多いですが、治療をせずに放置し続けると、がんが前立腺の被膜を突き破って周囲の臓器に広がっていきます。進行した場合、以下のような状況を招く恐れがあります。
まず、がんが尿道を完全に塞いでしまうと、尿がまったく出なくなる「尿閉」という状態になります。これは腎臓の機能にも悪影響を及ぼし、全身の健康状態を著しく損なう原因となります。
さらに前立腺がんは骨に転移しやすいという性質を持っています。脊椎(背骨)や骨盤に転移すると、激しい痛みやしびれが生じ、ひどい場合には骨折や麻痺を引き起こすこともあります。こうなると、日常生活を自立して送ることが難しくなってしまいます。早期発見と適切な管理を続けることが、将来の生活を守ることにつながります。
けいゆうクリニックの診療の特徴
京都府京都市山科区に位置する当院では、患者さんに寄り添い、専門性の高い泌尿器科診療を提供しています。前立腺がんの診療において、私たちのクリニックには以下の強みがあります。
- 日本泌尿器科学会認定専門医による診察 - 泌尿器科の知識を深く備えた日本泌尿器科学会認定専門医が、確かな目で診断と治療を行います。
- 充実した検査設備 - CT装置やX線レントゲンを完備しており、精密な検査をスピーディーに提供できる体制があります。
- 利便性と快適性の追求 - 山科駅からすぐの立地で、平日の通院が難しい方のために土曜午後の診療も行っています。DXを活用し、待ち時間の短縮にも努めています。
- 地域連携の充実 - 必要に応じて総合病院とスムーズに連携し、検査から手術、その後のケアまで途切れることのないサポートをいたします。
尿の悩みはデリケートなものですが、当院ではプライバシーに配慮し、話しやすい雰囲気づくりを大切にしています。どんな些細なことでも、安心してお話しください。
前立腺がんについてのよくある質問
Q1.PSA値が高いと言われましたが、がんでしょうか?
A1.PSA値が高いからといって、必ずしも前立腺がんであるとは限りません。前立腺肥大症や前立腺の炎症でも数値は上昇します。数値の動きやエコー検査の結果を総合して判断する必要がありますので、まずは精密な診察をお受けください。
Q2.治療を始めると性機能に影響はありますか?
A2.治療法によっては、勃起障害などの影響が出ることがあります。治療を選択する際には、生活の質やご本人の希望を最優先に考えますので、ご不安な点は事前に詳しくご相談いただけます。
Q3.前立腺がんは完治しにくい病気ですか?
A3.早期に発見された場合、多くの方が根治を目指せます。また、他のがんと比べて進行が穏やかなため、たとえ転移が見つかった場合でも、お薬によるコントロールで長期間安定した生活を送れる方がたくさんいらっしゃいます。
Q4.家族が前立腺がんなのですが、私も検査を受けたほうがよいですか?
A4.ご家族に前立腺がんの方がいる場合、発症リスクが高まることが知られています。50歳を過ぎたら、一度PSA検査を受けておくことをお勧めいたします。早期発見が何よりの予防策となります。
Q5.食事で気をつけることはありますか?
A5.バランスの良い食事を心がけることが基本ですが、特に動物性脂質の摂りすぎには注意しましょう。一方で、大豆製品に含まれるイソフラボンや、トマトに含まれるリコピンなどが良い影響を与える可能性も報告されています。
