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多汗症 

多汗症とは、気温が高いわけでも運動をしたわけでもないのに、日常生活に支障をきたすほど過剰に汗をかいてしまう状態を指します。汗は体温を調節するために欠かせないものですが、必要以上に分泌されることで、人目が気になったり、仕事や学業の効率が下がったりと、深刻な悩みを抱えている方が少なくありません。

京都市山科区にある私たちけいゆうクリニックでは、皮膚科専門医が患者さん一人ひとりの症状に合わせた丁寧な診察を行っています。山科駅から徒歩2分という通いやすい場所にあり、平日夜19時までの受付や土曜午後の診療も行っているため、お忙しい方でも継続的な治療が可能です。

多汗症の悩みは、なかなか周囲に理解されにくく、一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、近年注目されている外用薬(塗り薬)や注射療法など、治療の選択肢は着実に増えています。私たちは皮膚科と泌尿器科の専門医が連携し、質の高い医療を提供することで、患者さんが快適な毎日を取り戻すお手伝いをしております。

多汗症の症状について

多汗症の主な症状は、特定の部位や全身から、日常生活において困るほどの量の汗が出ることです。単に「汗かき」という体質の問題ではなく、汗によって社会的な活動が制限されてしまうことが、医学的な多汗症の特徴といえます。

具体的な症状の現れ方は人によって様々ですが、臨床の現場でよく見られるお悩みには以下のようなものがあります。

  • 緊張すると手のひらにじわっと汗をかき、書類を濡らしたりスマホの操作がしづらくなったりする
  • 脇の汗がひどく、服に大きな汗染みができてしまうため、着たい色の服を諦めている
  • 足の裏の汗が多くて靴の中が蒸れやすく、ニオイや足の皮膚トラブルが起きやすい
  • 顔や頭から滝のように汗が流れ、人前で話すときに恥ずかしい思いをすることがある

日常生活における深刻な困りごと

多汗症の患者さんは、汗そのものよりも、汗によって生じる二次的なトラブルに苦しんでいることが多いです。例えば、テストの答案用紙が汗で破れてしまう、パソコンのキーボードが故障しやすい、握手ができないといった具体的な支障があります。

また、常に汗を気にしていることが大きなストレスとなり、それがさらに交感神経を刺激して発汗を促すという、心理的な負のスパイラルに陥ることもあります。私たちは、こうした精神的な負担も多汗症の重要な症状の一つであると考えています。

皮膚トラブルについても注意が必要です。汗による蒸れは、水虫(白癬菌)などの感染症を引き起こすリスク因子となります。足の多汗が気になる方は、皮膚の状態も併せて確認することが大切です。

詳細については「水虫」のページを参照してください。

多汗症の原因について

多汗症は、その原因によって「原発性多汗症」と「続発性多汗症」の2つのタイプに大きく分けられます。治療方針を決定するためには、どちらのタイプであるかを見極めることが非常に重要です。

原発性多汗症(原因が特定できないタイプ)

多汗症を訴える患者さんの多くは、この原発性多汗症に該当します。特定の病気が隠れているわけではないのに、生まれつき汗を出す指令を出す交感神経が過敏に反応してしまうことが原因と考えられています。

特に10代から20代といった若い世代で発症することが多く、思春期のデリケートな時期に悩み始めるケースが目立ちます。遺伝的な要素も指摘されており、ご家族に同じような症状の方がいらっしゃることも少なくありません。

続発性多汗症(他の要因があるタイプ)

何らかの病気や薬剤、身体の変化に伴って汗が増えるタイプです。この場合、多汗症そのものの治療だけでなく、根本的な原因への対処が必要となります。

続発性多汗症を引き起こす主な要因には、以下のようなものが挙げられます。

  • 内分泌・代謝異常(甲状腺機能亢進症、糖尿病など)
  • 自律神経系の乱れ(更年期障害など)
  • 中枢神経や末梢神経の障害
  • 服用している薬剤の副作用
  • 感染症(結核などの熱性疾患)

急に全身に汗をかくようになった場合や、寝汗がひどい場合などは、内科的な病気が隠れている可能性があるため、精密な検査を検討します。当院ではCT装置やX線装置など、大きな病院を受診しなくても精密な検査が可能な設備を整えています。

多汗症の病気の種類について

多汗症は、汗をかく範囲によって「局所多汗症」と「全身性多汗症」に分類されます。それぞれの特徴を理解することで、ご自身の状態をより客観的に把握しやすくなります。

局所多汗症

身体の特定の部位だけで過剰な発汗が見られるタイプです。多汗症の相談で最も多いのがこの形です。

  • 手掌多汗症・・手のひらに大量の汗をかきます。
  • 腋窩多汗症・・脇の下に汗をかき、服のシミが目立ちます。
  • 足底多汗症・・足の裏に汗をかき、滑りやすくなったり靴が傷んだりします。
  • 頭部・顔面多汗症・・顔や頭皮から汗が噴き出します。

全身性多汗症

手のひらや脇だけでなく、背中や腹部、太ももなど全身から汗が出るタイプです。このタイプは、先ほど述べた「続発性多汗症」であることが多いため、全身の状態を詳しくチェックする必要があります。

また、多汗症と似た症状に蕁麻疹(じんましん)の一種であるコリン性蕁麻疹があります。汗をかいた刺激で痒みやブツブツが出る場合は、診断を慎重に行う必要があります。

蕁麻疹の詳細については「蕁麻疹」のページを参照してください。

多汗症の治療法について

多汗症の治療は、近年広く用いられている優れた薬剤の登場により、以前よりも格段に選択肢が広がっています。治療の目的は「汗をゼロにすること」ではなく、日常生活での困りごとを減らし快適に過ごせる状態を目指すことにあります。

保険適用の外用薬(塗り薬)

現在、多汗症治療の第一選択として使われることが多いのが、汗を出す命令をブロックする「抗コリン薬」の外用剤です。

エクロックゲル・ラピフォートワイプ(脇の多汗症用)

これらは脇の多汗症に対して保険適用が認められている薬剤です。毎日継続して使用することで、徐々に発汗を抑える効果が期待できます。エクロックゲルはボトルタイプ、ラピフォートワイプはシートタイプで、使い勝手に合わせて選択できます。

アポハイドローション(手の多汗症用)

これまで手のひらの多汗症には保険適用の塗り薬がありませんでしたが、現在はアポハイドローションという薬剤が使用可能になりました。寝る前に塗ることで、手のひらの発汗をコントロールしやすくします。

内服薬(飲み薬)

抗コリン薬の内服によって、全身の発汗を抑えるアプローチです。顔や頭など、塗り薬が使いにくい部位の多汗に有効な場合があります。ただし、口の渇きや便秘、眠気などの副作用が現れる可能性があるため、患者さんのライフスタイルに合わせて慎重に調整します。

ボトックス注射(ボツリヌス療法)

脇の重症な多汗症に対しては、保険適用でボトックス注射を行うことができます。汗を出す信号を伝える神経に作用し、長期間(数ヶ月程度)発汗を抑える効果が期待できます。

顔の多汗症に対して、ボトックスを広範囲に浅く打つマイクロボトックスを行っています。(自費診療)

多汗症についてのよくある質問

Q1. 汗っかきなだけなのか、多汗症なのか自分では判断できません。受診してもいいのでしょうか?

A1. もちろん、お気軽にご相談ください。多汗症の診断には、単なる汗の量だけでなく「その汗によって日常生活にどれだけ支障が出ているか」という客観的な指標(重症度判定)を用います。ご自身が困っていると感じるなら、それは治療を検討する十分な理由になります。

Q2. 治療を始めると、すぐに汗は止まりますか?

A2. 塗り薬の場合、効果を実感するまでに数日から2週間程度継続していただく必要があります。ボトックス注射の場合は数日後から効果が現れ始めます。即効性については治療法によりますが、じっくり取り組むことで症状の緩和が期待できます。

Q3. 手のひらの多汗症治療で、副作用はありますか?

A3. 塗り薬の場合、塗った場所の肌荒れや痒みが出ることがあります。また、目に入ると瞳孔が開いて眩しく感じることがあるため、使用後の手洗いは非常に重要です。診察時に適切な使用方法を詳しくお伝えします。

Q4. 子供の多汗症も診てもらえますか?

A4. はい、診察可能です。思春期のお子さんは特に学校生活での悩みが深いものです。年齢に応じて使用できるお薬が異なりますので、皮膚科専門医がお子さんの状態に合わせて適した治療法を提案いたします。

Q5. 夏以外の季節でも治療は必要ですか?

A5. 多汗症は気温に関係なく、精神的な緊張などで発汗することが多いため、冬でも悩まれている方は大勢いらっしゃいます。通年でコントロールすることで、季節を問わず快適に過ごせるようになります。

院長より

多汗症は、命に関わる病気ではありません。しかし、その悩みの深さは、経験した人にしか分からないほど切実なものであることを、私たちは日々の診療を通じて強く実感しています。人目を気にして好きな服が着られなかったり、仕事でミスを恐れたりすることは、生活の質(QOL)を大きく損なってしまいます。

「たかが汗くらいで」と遠慮する必要はありません。現在は保険診療でできる治療の幅も広がり、多くの患者さんが「もっと早く相談すればよかった」と症状の緩和を実感されています。山科にお住まいの方、お勤めの方はもちろん、遠方からもアクセスしやすい当院へ、ぜひ一度ご相談にいらしてください。

待ち時間の短縮を目指したDX(デジタルトランスフォーメーション)の活用により、スムーズな診療を心がけています。患者さんがリラックスして、どんな些細なことでもお話しいただけるような、温かみのあるクリニックでありたいと考えています。

診療時間や受付の詳細については「診療時間」のページを事前にご確認いただけますと幸いです。

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