男性更年期・ED
男性更年期障害(LOH症候群)やED(勃起不全)は、多くの男性が年齢を重ねる中で直面する可能性があるデリケートな悩みです。かつては加齢による自然な現象として諦められることもありましたが、現在は医学的なアプローチによって症状の緩和や改善が期待できる疾患として広く認識されています。私たちは、こうした悩みを抱える患者さんが健やかな毎日を取り戻せるよう、専門的な知見に基づいた診療を行っています。当院では、プライバシーに配慮しながら、一人ひとりのライフスタイルや希望に合わせた適切なサポートを提案いたします。まずは勇気を出して相談していただくことが、健やかな未来への第一歩となります。
男性更年期・EDとは
男性更年期障害は、正式には「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」と呼ばれます。これは、加齢や過度なストレスなどが原因で、男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が低下することによって引き起こされる身体的・精神的な不調の総称です。女性の更年期障害が閉経前後の短期間に集中するのに対し、男性の場合は40代以降の幅広い年代で起こり、症状が長く続く傾向があります。
一方でED(勃起不全)とは、満足な性交を行うのに十分な勃起が得られない、または維持できない状態を指します。完全に勃起しない場合だけでなく、途中で萎えてしまう「中折れ」や、時々勃起しなくなるといった状態もEDに含まれます。EDは単なる性機能の問題だけでなく、生活習慣病や血管疾患のサインであることも多いため、適切な診断が重要です。これら二つの疾患は密接に関係しており、男性ホルモンの低下がEDの直接的な原因になることも少なくありません。
このような症状はありませんか?
男性更年期やEDの症状は多岐にわたり、自分では「ただの疲れ」や「年のせい」だと思い込んで見逃してしまうこともあります。以下の項目に心当たりがある場合は、専門的な診断を受けることを検討してください。
精神的な症状
- 以前に比べてやる気や集中力が低下したと感じる
- 些細なことでイライラしたり、不安を感じやすくなったりした
- 理由もなく気分が落ち込み、何事も楽しめなくなった
- 睡眠の質が悪くなり、熟睡感がない
身体的な症状
- 全身の倦怠感が続き、疲れが取れにくい
- 筋力が低下し、以前よりも重いものが持てなくなった
- 関節痛や筋肉痛が頻繁に起こるようになった
- 発汗やほてり、いわゆる「ホットフラッシュ」がある
- 内臓脂肪が増え、メタボリックシンドロームが気になる
性的な症状
- 性欲が著しく減退した
- 朝立ちの回数が減った、あるいは全くなくなった
- 勃起の硬さが不十分で、性交の途中で萎えてしまう
- 性交を完遂できないことへの不安やストレスが強い
考えられる病気・原因
男性更年期やEDの原因は、単一ではなく複数の要素が絡み合っている場合がほとんどです。原因を特定することで、より的確な治療計画を立てることができます。
男性ホルモンの低下(LOH症候群)
主な原因は、精巣で作られるテストステロンの減少です。このホルモンは、筋肉や骨の維持、造血、性機能、さらには脳の認知機能や精神の安定にまで深く関わっています。20代をピークに徐々に減少しますが、激しいストレスや生活環境の変化によって急激に低下することがあり、それが諸症状を引き起こします。
器質性ED(血管や神経の問題)
動脈硬化や糖尿病、高血圧などの生活習慣病によって血流が悪くなると、陰茎に十分な血液が流れ込まずEDが起こります。また、手術や外傷による神経の損傷も原因となります。これは体全体の健康状態を反映していることが多く、心血管疾患の予兆として現れる場合もあります。
心因性ED(ストレスや精神的問題)
仕事のプレッシャー、人間関係、あるいは「また失敗するのではないか」という性交に対する予期不安など、精神的なストレスが脳の性中枢に影響を与え、勃起を妨げます。若い世代に多く見られるのも特徴の一つですが、中高年層でもパートナーとの関係性などが要因になることがあります。
薬剤性や混合性
服用している薬の副作用としてEDが起こる場合があります。抗うつ薬や降圧剤、胃潰瘍の薬などが影響することがあります。実際には、これら複数の要因が重なり合った「混合型」の患者さんが非常に多いのが現状です。
前立腺の疾患も性機能に影響を与えることがあります。気になる方は「前立腺肥大症」のページも参照してください。
当院で行う検査
私たちは、患者さんの体の状態を客観的に把握するために、以下の検査を組み合わせて行います。一人ひとりのプライバシーを守りながら、リラックスして受けていただける体制を整えています。
問診とスコアリング(AMSスコア・IIEF-5)
まずは、自覚症状を詳細に伺います。世界的に用いられているAMSスコア(男性更年期質問票)や、EDの程度を数値化するIIEF-5(国際勃起機能スコア)などの問診票に記入していただき、症状の重症度を客観的に評価します。
血液検査(ホルモン値の測定)
血液検査を行い、血中のフリーテストステロン(遊離型テストステロン)の値を測定します。この値が一定の基準を下回っている場合、LOH症候群と診断されます。同時に、血糖値や脂質、肝機能、腎機能なども確認し、背景に生活習慣病が隠れていないかを調べます。
前立腺特異抗原(PSA)検査
ホルモン補充療法を行う可能性がある場合、前立腺がんのリスクを事前に確認する必要があります。そのための指標となるPSA値を血液検査でチェックします。PSAの値が高い場合は、慎重な対応が必要となります。
PSAの数値が気になる方は「PSA健診」のページをご覧ください。
当院で行う治療
検査結果に基づき、患者さんの希望や体の状態に適した治療法を提案します。複数の選択肢の中から、納得のいく方法を一緒に選んでいきましょう。
男性ホルモン補充療法(ART)
テストステロンが明らかに不足している場合に行う治療です。定期的にホルモン剤を注射することで、筋力低下や倦怠感、性欲の減退などの症状を改善させます。多くの患者さんが、この治療によって前向きな気持ちを取り戻されています。ただし、前立腺がんや多血症がある場合は実施できないため、定期的な検査を行いながら慎重に進めます。
ED治療薬による薬物療法
陰茎への血流を促進するPDE5阻害薬(シルデナフィル、タダラフィルなど)を処方します。これらの薬剤は現在広く用いられており、精度の高い治療効果が期待できます。心臓病の薬であるニトログリセリンを服用している方は使用できないなど、いくつかの制限があるため、必ず医師の診断のもとで正しく使用することが大切です。
漢方薬による全身調整
検査数値には大きな異常がないものの、なんとなく体がだるい、イライラするといった不定愁訴に対しては、漢方薬が有効な場合があります。個々の体質(証)に合わせて、補中益気湯や八味地黄丸などを処方し、体全体のバランスを整えていきます。
生活習慣の改善アドバイス
テストステロンの分泌を促すためには、良質な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動が不可欠です。また、肥満はEDのリスク因子となるため、体重管理についてもアドバイスを行います。ストレスを溜め込まない工夫など、日常生活の中で取り組めることを一緒に考えていきます。
放置するとどうなる?
男性更年期やEDの症状を「仕方がない」と放置してしまうことは、生活の質を低下させるだけでなく、将来的な健康リスクにつながる恐れがあります。
心血管疾患のリスク増大
EDは「血管の病気の入り口」とも言われます。陰茎の血管は細いため、全身の血管の中で最も早く動脈硬化の影響を受けやすいのです。EDを放置することは、将来的な心筋梗塞や脳卒中の予兆を見逃すことになりかねません。
うつ症状の悪化や社会的意欲の低下
ホルモン不足による精神的な不調を放置すると、本格的なうつ病へ移行することがあります。やる気の欠如や決断力の低下が仕事のパフォーマンスに影響し、社会生活に支障をきたすケースも少なくありません。早めに改善を目指すことで、自信と活力を取り戻すことができます。
骨粗鬆症やメタボリックシンドロームの進行
テストステロンには骨密度を維持し、内臓脂肪を燃焼させる働きがあります。低下したままの状態が続くと、骨が脆くなったり、肥満や糖尿病が進行しやすくなったりします。全身の老化を加速させてしまう可能性があるため、早期の介入が望まれます。
けいゆうクリニックの診療の特徴
当院では、男性特有のデリケートな悩みに対して、専門的な立場から真摯に向き合っています。安心してご相談いただける環境づくりに努めています。
泌尿器科の専門的な視点による診察
院長は日本泌尿器科学会認定専門医であり、豊富な臨床経験に基づいた的確な診断を行っています。男性更年期障害やEDは、単なる機能低下だけでなく、背景に他の病気が隠れていることも多いため、専門医が全身を丁寧に診察することは非常に重要です。
山科駅から徒歩2分の通いやすい立地
当院は山科駅から徒歩2分という非常にアクセスしやすい場所にあります。お仕事帰りや外出のついでに立ち寄りやすく、定期的な通院が必要なホルモン療法などの際にも負担を最小限に抑えることができます。
CT装置など充実した精密検査設備
通常は総合病院でなければ受けられないようなCT検査を、当院では即日受けることが可能です。EDの背景にある血管の問題や、その他の内臓疾患の有無を精密に調べることができ、速やかな治療開始をサポートします。
スムーズな診療とプライバシーへの配慮
DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用し、待ち時間の短縮と効率的な診療を目指しています。患者さんのプライバシーに配慮し、診察室での対話を大切にしながらも、スムーズに受診していただけるようスタッフ一同努めています。
男性更年期・EDについてのよくあるご質問
Q1. 男性更年期障害は何歳くらいから起こりますか?
A1. 一般的には40代から50代に多いとされていますが、30代の若い方から70代、80代の方まで幅広く見られます。仕事のストレスや環境の変化が激しい時期に、急激なホルモン低下とともに症状が現れることが多いのが特徴です。
Q2. 血液検査は食事を抜いて行く必要がありますか?
A2. テストステロンの値は午前中に高く、午後に低くなるという日内変動があります。そのため、正確な数値を測るには、午前中に検査を受けていただくことをお勧めしています。食事の制限については、血糖値などを同時に測る場合を除き、基本的には必要ありません。
Q3. ED治療薬は心臓に負担がかかりませんか?
A3. 健康な方が適量を服用する分には、直接的に心臓を悪くすることはありません。ただし、心血管系に持病がある方や、特定の心臓病の薬を服用中の方は、血圧が急激に下がるなどのリスクがあるため服用できません。必ず医師に相談し、安全に使用できるか確認を受けてください。
Q4. ホルモン補充療法を始めるとずっと続けなければなりませんか?
A4. 症状が改善し、生活習慣の改善によって自らのテストステロン分泌が高まってくれば、治療を終了したり、漢方薬などの緩やかな治療に切り替えたりすることも可能です。患者さんの状態を見ながら、最適な期間を決定していきます。
Q5. 性欲がないのは年のせいだと思っていましたが受診しても良いですか?
A5. もちろんです。性欲の減退は男性ホルモン低下の代表的なサインです。ご自身で「年齢だから」と決めつけず、体からのSOSと考えて受診してください。治療によって活力が戻り、毎日が楽しくなったとおっしゃる患者さんもたくさんいらっしゃいます。
男性更年期やEDの悩みは、一人で抱え込んでしまいがちですが、医学的なサポートで改善できる可能性が高い疾患です。気になる症状があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
自費診療のメニューについては「メンズ美容」のページも参考になさってください。
