精巣・陰嚢の病気
精巣や陰嚢の異常は、男性にとって非常にデリケートで相談しにくい悩みかもしれません。しかし、この部位には急を要する病気や、将来の不妊に関わる疾患、あるいは命に関わる重大な病気が隠れていることがあります。特に急激な痛みや、痛くないけれども硬いしこりがある場合は、早急な受診が必要です。京都市山科区にある当院では、日本泌尿器科学会認定専門医が、プライバシーに配慮しながら丁寧な診察を行っています。どんなに小さな違和感でも、勇気を持ってご相談ください。私たちは、皆さんが安心して日常に戻れるよう、全力を尽くしてサポートいたします。
精巣・陰嚢の病気とは
精巣は、一般的に「タマ」と呼ばれ、男性ホルモンの分泌や精子の製造を担う非常に重要な臓器です。その精巣を包んでいる袋が陰嚢です。精巣の隣には精巣上体と呼ばれる組織があり、これらが複雑に連携して男性の生殖機能を支えています。
精巣や陰嚢の病気は、大きく分けて「急激な痛み」「腫れ」「しこり」の3つの症状で現れることが多いのが特徴です。例えば、精巣がねじれて血流が止まってしまう病気や、細菌に感染して炎症を起こす病気、あるいは組織ががん化してしまうものなど、その種類は多岐にわたります。
これらの病気の中には、発生から数時間以内に処置をしないと精巣を失ってしまうものもあります。また、一見痛みがないため見過ごされがちなしこりが、実は進行の早い悪性腫瘍であったというケースも珍しくありません。当院では、患者さんの不安に寄り添い、迅速かつ丁寧な診断を行うことで、適切な治療へとつなげています。
このような症状はありませんか?
精巣や陰嚢に以下のような症状がある場合は、泌尿器科の受診を検討してください。些細な変化が、病気の早期発見につながる大切なサインです。
- 片方の精巣が急に激しく痛みだした
- 陰嚢が赤く腫れ上がり、熱を持っている
- 精巣に触れると、石のように硬いしこりがある
- 陰嚢がだんだん大きくなってきたが、痛みはない
- 下腹部から足の付け根にかけて違和感や鈍痛がある
- 精巣の上に「うどん」のようなボコボコした血管の塊が見える
特に急激な痛みがある場合は、緊急を要する可能性があります。また、痛みがない場合でも硬いしこりには注意が必要です。ご自身でチェックしてみて、左右の大きさが極端に違ったり、形がいびつだと感じたりしたときは、迷わず専門の医療機関を受診してください。
子どもの場合は、本人がうまく症状を伝えられないことがあります。おむつ替えや入浴の際に、保護者の方が「左右で大きさが違う」「片方が袋に入っていない」といった異変に気づかれることも多いです。お子様の症状については、「子どもの泌尿器」のページも併せて参照してください。
考えられる病気・原因
精巣や陰嚢に症状を引き起こす代表的な病気には、以下のようなものがあります。それぞれ原因や対処法が大きく異なります。
精巣捻転
精巣を吊るしている精索という管がねじれてしまい、血流が途絶えてしまう病気です。思春期の少年に多く見られますが、成人でも起こることがあります。発症から数時間が経過すると精巣が壊死してしまうため、一刻を争う緊急疾患です。突然の激しい痛みが特徴です。
精巣上体炎(副睾丸炎)
精巣の隣にある精巣上体に、細菌が侵入して炎症を起こす病気です。尿道からの細菌感染や、性感染症が原因となることが多いです。激しい痛みとともに、陰嚢が大きく腫れて高熱が出ることがあります。放置すると精巣そのものに炎症が広がることもあるため、適切な抗生剤治療が必要です。
性感染症が原因と思われる場合は、パートナーと一緒に治療を検討することが重要です。詳細は「性感染症・ブライダルチェック」のページをご覧ください。
精巣腫瘍
精巣の中にできる「がん」です。20代から30代の比較的若い世代に多く発生するのが特徴です。痛みがないまま、精巣が石のように硬く腫れていくことが多いため、発見が遅れることがあります。非常に進行が早いですが、早期に治療を始めれば完治を目指しやすい病気でもあります。
陰嚢水腫
精巣を包んでいる膜の中に、液体が溜まって陰嚢が大きく膨らむ状態です。痛みはありませんが、大きくなると歩きにくかったり、違和感を感じたりします。子どもに多い「先天性」のものと、成人に多い「後天性」のものがあります。基本的には良性の状態で、穿刺して水を抜くか、根本的には手術を行います。
精索静脈瘤
精巣から心臓に戻る静脈の血液が逆流し、血管がコブのように腫れてしまう病気です。左側に起こることが多く、精巣の温度を上昇させるため、精子の質を下げてしまうことがあります。男性不妊の原因のトップとしても知られています。不妊に関する詳細は「男性不妊」のページを参照してください。
当院で行う検査
けいゆうクリニックでは、診察の際の負担を最小限に抑えつつ、迅速に原因を特定するための体制を整えています。
視診・触診
まずは医師が直接、陰嚢の状態を確認します。腫れの程度、赤みの有無、しこりの硬さ、痛みの場所などを丁寧に確かめます。これだけでも多くの情報を得ることができ、精巣捻転などの緊急性を判断する材料になります。
超音波検査(エコー検査)
精巣や陰嚢の診察において、最も重要な検査の一つです。超音波を当てるだけで、痛みなく内部の状態を確認できます。精巣内の腫瘍の有無、血流の状態、液体の貯留などをリアルタイムで観察可能です。これにより、精巣捻転か精巣上体炎かの見極めがスムーズに行えます。
尿検査
尿の中に細菌や白血球が混じっていないかを確認します。精巣上体炎などの細菌感染が疑われる場合に、原因となる菌を特定する手がかりになります。性感染症が疑われる場合も、尿を使った精密な検査を行います。
血液検査
炎症の程度を確認するほか、精巣腫瘍が疑われる場合には腫瘍マーカーと呼ばれる特定の数値を測定します。これらの結果を総合的に判断して、現在の状態を詳しく分析します。
CT検査
当院にはCT装置を設置しており、大きな病院に行かなくても精密な検査が可能です。精巣腫瘍の転移の有無や、腹部の状態を詳しく調べる必要がある場合に活用します。即日検査が可能なため、診断までの時間を大幅に短縮できます。
当院で行う治療
診断結果に基づき、それぞれの患者さんに適した治療法を選択します。当院で完結できる治療から、連携病院との協力による治療まで幅広く対応しています。
薬物療法
精巣上体炎などの細菌感染が原因の場合は、抗生剤を処方します。痛みが強い場合は鎮痛剤や消炎剤を併用し、炎症を抑えます。多くの場合、適切な内服治療で症状は改善に向かいます。安静に過ごすことも大切な治療の一つです。
日帰り手術・処置
陰嚢水腫で水が溜まって苦痛がある場合、注射器で液体を抜く穿刺排液を行うことがあります。また、当院では泌尿器科疾患の日帰り手術にも対応しております。入院の必要がないため、生活への影響を最小限に抑えられます。手術の内容によっては、安全を最優先し近隣の総合病院と連携して実施します。
緊急時の対応
精巣捻転など、数時間以内の手術が必要な緊急疾患と診断した場合は、直ちに手術が可能な提携病院を紹介します。一刻も早く治療を開始できるよう、迅速な情報提供と連携を心がけています。日本泌尿器科学会認定専門医の確かな目で、緊急性の有無を瞬時に判断します。
経過観察
精索静脈瘤や軽度の陰嚢水腫など、今すぐの治療が必要でない場合もあります。その際は、定期的な診察を通じて状態に変化がないかを見守ります。将来的なリスクや、生活上の注意点についても丁寧にご説明します。
放置するとどうなる?
精巣や陰嚢の異常を「恥ずかしいから」と放置してしまうと、取り返しのつかない結果を招く恐れがあります。
精巣捻転の場合、放置すれば血流が途絶えた精巣は死んでしまい、摘出せざるを得なくなります。精巣が一つになると、将来的な妊孕性 - 妊娠させる力 - にも影響を与える可能性があります。また、炎症を放置すれば膿が溜まる膿瘍を形成し、全身に菌が回る敗血症などの重篤な状態に陥るリスクもあります。
さらに深刻なのは精巣腫瘍です。非常に進行が早く、短期間でリンパ節や肺に転移することがあります。しかし、早期に発見できれば、多くの場合で命を守ることができます。痛みがないから大丈夫、と自己判断するのは非常に危険です。早期発見こそが、身体への負担を減らす鍵となります。
けいゆうクリニックの診療の特徴
当院は、山科駅徒歩2分の場所に位置し、地域の皆さんが通いやすい環境を整えています。泌尿器科の専門的な診療を、より身近に感じていただけるよう努めています。
当院では日本泌尿器科学会認定専門医である院長が、一貫して診察を担当します。高度な専門知識に基づき、診断から治療までスムーズに進めることが可能です。また、CT装置や超音波診断装置など、充実した設備を整えているため、大きな病院に引けを取らない精密な検査がその日のうちに受けられます。
また、お仕事や学業で忙しい方のために、土曜午後の診療や、曜日によっては19時までの夜間受付も行っています。DXを積極的に活用し、予約システムの導入などで待ち時間の短縮にも取り組んでいます。泌尿器科は敷居が高いと感じるかもしれませんが、私たちは皆さんがリラックスして受診できるよう、明るく清潔な環境でお迎えします。
精巣・陰嚢の病気についてのよくある質問
Q1. 痛みはないのですが、精巣が大きくなっている気がします。受診したほうがよいですか?
A1. ぜひ受診してください。痛みがない腫れこそ、精巣腫瘍や陰嚢水腫の可能性があり、慎重な診察が必要です。特に硬いしこりがある場合は、早急な検査をお勧めします。
Q2. 診察の際は、どのような服装で行けばよいですか?
A2. ズボンを下げていただく必要がありますので、着脱しやすい服装でご来院いただけるとスムーズです。診察の際はプライバシーに十分配慮いたしますので、ご安心ください。
Q3. 子どもの精巣がたまに袋からいなくなります。病気でしょうか?
A3. 「遊走精巣」と呼ばれる状態の可能性があります。リラックスしているときに袋に収まっていれば経過観察で済むことが多いですが、手術が必要な「停留精巣」との見極めが必要です。一度専門医にご相談ください。
Q4. 精巣を強く打ってしまいました。受診は必要ですか?
A4. 痛みがすぐに引かない場合や、腫れてきた場合は受診してください。精巣が破裂している「精巣白膜破裂」の可能性があり、その場合は緊急手術が必要になることがあります。
Q5. 精巣上体炎と言われましたが、仕事は休まないといけませんか?
A5. 炎症が強く熱がある場合は、数日間の安静が必要です。激しい運動や長時間の歩行は症状を悪化させることがあるため、医師の指示に従ってください。当院ではライフスタイルに合わせた治療計画を提案します。
