PSA健診(健診でPSA異常を指摘された方へ)
健康診断や人間ドックの結果、PSAの値が高いと指摘されて驚きや不安を感じていらっしゃる方は少なくありません。PSA健診は、男性特有の臓器である前立腺の健康状態を測るための大切な入り口です。数値が基準を超えているからといって、すぐにがんであると決まったわけではありませんが、適切な精密検査を受けることは非常に重要です。私たちのクリニックでは、泌尿器科領域の知識が豊富な日本泌尿器科学会認定専門医である院長が、お一人おひとりの不安に寄り添いながら丁寧な診察を行っています。大きな病院に行かなくても、院内のCT装置を用いた精密な検査を迅速に行える体制を整えておりますので、どうぞ安心してお気軽にご相談ください。
PSA健診とは
PSAとは「前立腺特異抗原」というタンパク質の略称で、主に前立腺で作られる物質です。通常は血液中にごくわずかしか存在しませんが、前立腺に何らかの異常が起きると、血液中に漏れ出す量が増えて数値が上昇します。この性質を利用したのがPSA健診です。
一般的に、血液検査でPSAの値が「4.0ng/mL」を超えると「異常あり」と判定されます。ただし、この数値はあくまで目安であり、年齢によって基準値が細かく設定されることもあります。PSA値が高いことは、前立腺からの「精密検査が必要ですよ」というサインだと捉えてください。
この検査の大きな役割は、自覚症状が現れにくい段階の病気を見つけることです。特に前立腺がんは、初期の状態では自分自身で異変に気づくことが難しいため、健診での指摘をきっかけに精密検査を受けることが、将来の健康を守るための大きな一歩となります。
このような症状はありませんか?
PSAの数値が高くなっているとき、ご自身で以下のような排尿に関する違和感を覚えている場合があります。もし心当たりがある場合は、数値の異常と関連している可能性が考えられます。
- おしっこの勢いが以前よりも弱くなったと感じる
- 尿が出終わるまでに時間がかかるようになった
- 夜中に何度もトイレに起きる
- 急に尿意を催し、我慢するのが難しい
- おしっこをした後も、すっきりしない残尿感がある
- 尿に血が混じることがある
これらの症状は、必ずしもがんだけが原因ではありませんが、前立腺の腫れや炎症によって引き起こされている可能性があります。症状の程度にかかわらず、健診の結果と併せて私たちにお伝えください。
尿が出にくい状態の詳細については「尿が出にくい・尿の勢いが弱い」のページを参照してください。
考えられる病気・原因
PSAの数値が上昇する原因は一つではありません。精密検査の結果、以下のようないくつかの病気が見つかることがあります。前立腺がん以外の病気でも数値は上がります。
前立腺がん
前立腺の細胞ががん化し、増殖する病気です。がん細胞の影響でPSAが血液中に漏れ出しやすくなるため、数値が上昇します。早期に発見すれば、適切に対応することが可能な病気です。
前立腺がんの詳細については「前立腺がん」のページを参照してください。
前立腺肥大症
加齢とともに前立腺が大きくなる良性の病気です。前立腺そのものの体積が増えることで、作られるPSAの総量も増えるため、血液中の数値が高くなることがあります。中高年男性に非常によく見られる病気です。
前立腺肥大症の詳細については「前立腺肥大症」のページを参照してください。
前立腺炎
前立腺に細菌が感染したり、炎症が起きたりする状態です。炎症によって組織がダメージを受けると、PSAが急激に血液中に流れ出すことがあります。痛みや発熱を伴う場合もあります。
その他の原因
射精の直後や、自転車に長時間乗るなどして前立腺を圧迫した直後、あるいは尿道カテーテルの挿入後なども、一時的に数値が上昇することがあります。診察の際には、直近の生活状況も併せて確認させていただきます。
当院で行う検査
けいゆうクリニックでは、健診で指摘されたPSAの数値を詳しく分析し、原因を突き止めるために以下のような検査を段階的に進めていきます。
問診と再検査
まずは、現在の自覚症状やこれまでの病歴を詳しく伺います。その上で、当院にて改めて血液検査を行い、現在の正確なPSA値を測定します。日によって数値が変動することもあるため、再確認は欠かせません。
尿検査
尿の中に細菌や血が混じっていないかを確認します。これにより、炎症(前立腺炎)や結石、膀胱の病気が数値に影響していないかを調べます。
直腸診
医師が肛門から指を入れ、直腸越しに前立腺に直接触れる検査です。前立腺の大きさ、硬さ、表面の凹凸などを確認します。がんは硬い結節として触れることが多いため、非常に有用な検査です。短時間で終わるため、身構えずに受けていただけます。
超音波検査(エコー検査)
下腹部に器具をあて、画像で前立腺の形や大きさを確認します。前立腺肥大症の程度や、膀胱の中に尿がどれくらい残っているかを詳しく評価することができます。
CT検査
当院にはCT装置が設置されています。通常、大きな病院へ行かなければ受けられないような精密な画像検査を、受診したその日に行うことが可能です。前立腺の周囲の状況や、他の臓器への影響を詳しく調べることができます。
MRI検査(外部連携)
より詳細に前立腺の内部構造を確認し、がんが疑われる場所を特定するためにMRI検査が必要になる場合があります。その際は、連携している近隣の総合病院をスムーズにご案内いたします。
当院で行う治療
検査の結果、治療が必要と判断された場合には、診断名に基づいた的確な治療を提案いたします。患者さんの生活スタイルやご希望を尊重しながら、進めてまいります。
前立腺肥大症の場合
お薬による治療を中心に開始します。尿の出をスムーズにする薬や、大きくなった前立腺を小さくする薬などを組み合わせて使用します。症状が重い場合には、日帰り手術などの選択肢も検討します。
前立腺炎の場合
細菌感染が原因であれば、抗菌薬を一定期間服用していただきます。炎症を抑えるお薬を使用し、数値が落ち着くのを待ちます。
前立腺がんが疑われる場合
画像検査などでがんの可能性が高いと判断された場合は、確定診断のために「前立腺生検」という組織検査が必要になります。この検査が必要な場合は、適切な医療機関をご紹介し、連携して対応いたします。診断後は、がんの進行度に合わせて、経過観察や手術、放射線治療など、ご自身に最も適した治療法を検討していきます。
放置するとどうなる?
PSAの異常を指摘されたまま「特に症状がないから」と放置してしまうことには、いくつかのリスクが伴います。早期発見のチャンスを逃さないことが大切です。
- 前立腺がんの進行 - がんであった場合、放置すると周囲の組織や骨に転移し、痛みや重篤な症状を引き起こす恐れがあります。
- 排尿トラブルの悪化 - 肥大症が原因の場合、尿道がさらに圧迫され、ある日突然尿が全く出なくなる「尿閉」という状態になることがあります。
- 腎機能への影響 - 尿が出にくい状態が続くと、腎臓に負担がかかり、腎不全などの深刻な合併症を招く可能性があります。
たとえがんではなかったとしても、排尿の問題は生活の質を大きく下げてしまいます。早い段階で原因を知ることで、多くのトラブルは未然に防いだり、軽い治療で済ませたりすることが期待できます。定期的な検診が早期発見につながりますので、結果を重く受け止めすぎず、まずは相談にお越しください。
けいゆうクリニックの診療の特徴
当院では、患者さんが安心して泌尿器科の診療を受けられるよう、高度な設備と専門性を活かした診療を行っています。山科の地域に根ざしたクリニックとして、丁寧な対話を大切にしています。
日本泌尿器科学会認定専門医による診療
当院の院長は、泌尿器科疾患に関する深い知識と経験を持つ日本泌尿器科学会認定専門医です。PSAの数値が持つ意味を正しく解釈し、過剰な心配を取り除きながら、必要な検査と治療を見極めます。
即日の精密検査が可能なCT設備
院内にCT装置を完備しているため、総合病院を予約して後日検査に行くという手間を省けます。受診したその日に詳しくお調べすることで、診断までの時間を短縮し、患者さんの不安な期間を少しでも短くするよう努めています。
スムーズな病診連携
より高度な検査や入院が必要な手術が望ましいと判断された場合には、近隣の総合病院と速やかに連携いたします。当院での診察結果をしっかりと共有し、スムーズに高度医療へつなげられる体制を整えています。
プライバシーへの配慮と利便性
泌尿器科の悩みはデリケートなものですが、当院では患者さんのプライバシーに配慮したスムーズな診療を心がけています。DXを活用して待ち時間を短縮し、お仕事帰りや土曜日でも受診しやすい環境づくりに努めています。
PSA健診についてのよくある質問
Q1. 数値が高いと言われたら、必ずがんなのでしょうか?
A1. いいえ、決してそうではありません。PSA値が高い原因として最も多いのは前立腺肥大症や加齢によるものです。数値に異常があっても、精密検査でがんが見つからないケースは多々あります。大切なのは、がんがあるかないかをはっきりと確認し、安心することです。
Q2. PSAの精密検査は痛いですか?
A2. 当院で行う問診、血液検査、尿検査、超音波検査、CT検査などで痛みを感じることはほとんどありません。直腸診も短時間で終わるため、多少の違和感はあっても強い痛みを感じることは少ないです。リラックスして受けていただけるよう配慮しています。
Q3. 精密検査の結果が出るまで、どれくらいかかりますか?
A3. 血液検査や再検査の結果は、数日でお伝えできます。院内で行うCT検査や超音波検査の結果は、その場でお話しすることが可能です。お待たせする時間をできるだけ短くするよう工夫しています。
Q4. 数値が少しだけ高いのですが、様子を見ても良いでしょうか?
A4. 数値がわずかな上昇であっても、泌尿器科専門医のもとで一度は詳しいチェックを受けることをお勧めします。前立腺がんは数値が低いうちに見つかることもあるためです。一度受診して「異常なし」と分かれば、その後は安心して定期的なチェックを続けることができます。
Q5. 食事や生活習慣でPSA値は下がりますか?
A5. 前立腺炎が原因の場合は、生活習慣の改善や治療で数値が下がりますが、前立腺肥大症やがんで上がっている場合は、食事だけで数値を下げるのは難しいです。まずは原因を特定することが、健康への近道となります。
